当機構について
一般社団法人 関東広域観光機構のご紹介
┃ごあいさつ
昨年5月に新型コロナが5類に移行してからちょうど1年が経ちました。今年4月5月の外国人旅行者数は300万人を超え、街に外国人の方が多いという印象を皆さんもお持ちのことと思います。一方で国のインバウンドの目標数値は令和12年に6000万人ですから、今後ますます訪日客が来ることが見込まれています。さて、始まる前にいくつか私の方から今の状況を報告したいと思います。
訪日客が増えている一方でオーバーツーリズムなる言葉が出てきて、混雑している地域の解決をどうするかという新しい課題にも直面しています。今年1月1日に能登半島の地震があり、大きな被害を受けました。インフラの復旧についてはツーリズム関係では貢献できませんが、復興が始まれば観光やツーリズムで応援することができます。もうひとつは風評被害が沢山出ているということで、この点についてもしっかり対応していく必要があります。併せて3月16日に北陸新幹線が福井県敦賀まで延伸開業し、新しいルートができました。いろいろなところでニュースが流れていることで北陸の応援になると思っています。是非、皆様も富山、石川、福井に行っていただきたい、北陸を応援していただきたいと思います。
今、東京商工会議所でトラベル&ツーリズム委員会の委員長を務めておりますが、東商では「ツーリズム産業の基幹産業化」を目指しております。ツーリズム産業は56兆円の産業規模であり、自動車産業とほぼ同じ規模を持ちながら、なかなか同等の評価を経済産業省や国から受けていません。評価はされていますがまだまだ産業として認められていないのが現状です。コロナ禍で一番打撃を受けたのはツーリズム産業だと思いますし、そのことに対して十分に対応がなされたとは言えないと思います。今、自動車産業は不正のことが問題になっていますが、このことは別にしても、もし自動車産業で何かあれば、国をあげて応援する形になるでしょう。ツーリズム産業についてもそういう形になって欲しいと考えており、東京商工会議所でも国や東京都に対して要望をあげています。各地域の商工会議所でも県や市町村に対してそのような話をしているところだと思いますので、是非皆さんも応援していただければ有難いです。
もう一つの取り組みテーマは、「国際文化都市東京を目指そう」ということです。初代東京商工会議所会頭の渋沢栄一翁が今度一万円札の顔になります。先日東京商工会議所の副会頭全員に多くの志を叶えた渋沢栄一に思いを馳せて、絵馬に夢や希望を書くようにと言われ、私は「文化大国日本を目指す」と書きました。
さらにもう一つの取り組みテーマは、「歴史や文化についてもう少ししっかりとした勉強をしようじゃないか」ということです。東京都が有識者会議の中で部会を作り、その一つである江戸の歴史文化部会の部会長を仰せつかりました。徳川宗家19代当主の方も委員として参加されており、江戸は時代の名前なのか、都市の名前なのか、という質問に徳川時代で江戸は町の名前だと言われました。こういうことも含めて江戸文化についてもう一回整理整頓しながら勉強する必要があると思っています。
2000年に入ってから旅行は周遊旅行よりも体験型学習で滞在型が主流になっていきました。先日、福岡市の高島市長の提案で、「西日本ゴールデンルートアライアンス」という大きな組織が設立されて、私が名誉顧問に就任いたしました。なぜそのようなことをやっているのかというと、昔は日本で海外旅行というと、ロンドン・パリ・ローマという周遊ルートで行く時代が長く続いていました。それが90年代の終わり頃から2000年代の20年くらいの間にだんだん滞在型旅行が主流になっていったわけで、もともとは周遊旅行でした。インバウンドはパンデミックで一度止まったのですが、これから来る欧米の方はまだゴールデンルートと言われる周遊旅行をしています。従って、周遊ルートで日本の中を見せるという周遊旅行について、もう一度しっかり勉強をする必要があると思います。私の世代より上の人は周遊旅行について詳しいのですが、ここ最近の20年くらいの間は滞在とかコンテンツ旅行の方が主流で、周遊の詳しいルートを作るノウハウがツーリズム産業に失われつつあると感じています。その辺についても、もう一度関東広域としてしっかりと勉強しておく必要があるのではないでしょうか。因みに、ロンドン・パリ・ローマという時代があったあとに、実はドイツが売れない時代があり、80年代に8街道くらいの周遊ルートの提案がドイツからありました。今残っているのがロマンンチック街道です。日本でもそういう意味では周遊ルートとして、ゴールデンルート以外に、中部ではゴールデンループを推進していこうとしています。新幹線が北陸と東海道にありますから、楕円形でぐるりと回るループです。関東ではどういうループが描けるのか、そういうことも考えていく必要があると思います。
今後は是非ともいろいろな課題について皆さんと議論していきたいと思います。地域の活性化のためにツーリズムが必要だということは以前から言われているのですが、今はまちづくりについての事例が沢山出てきています。ニューヨークタイムスなど外国のメディアでも日本に行くならこの地域がおすすめですよという地方都市の記事が書かれ、地方都市が評価を受けています。単なる昔のマップではなくて日本の良さをいろんな方がソーシャルネットワークを使って伝える時代になってきました。是非ともそういうものも利用しながら関東を含めて海外メディアで取り上げられるように活動していきたいと思っています。
最後にいよいよ来年2025年には、大阪・関西の万博があります。また、同年、東京では世界陸上、そして2027年横浜・上瀬谷では、国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)といったイベントが続きますので、そのようなイベントを起爆剤にしながらしっかりと対応していければいいと思うので引き続き皆さんと共に頑張っていきたいと思います。
2023年のデータですが、外国人の延べ宿泊数のうち37%が東京で宿泊しています。関西空港から日本に入る外国人、特に欧米人は東京から大阪までのゴールデンルートを訪れる観光客がほとんどで、大阪より西に行く観光客はたった5.8%しかいないというデータが、西のゴールデンルートができた背景となっています。そういう意味では東京に37%も泊っているという現実がありますので、東京に来られるお客様をいかに関東広域へ分散して訪れていただくかということを考えるうえで、先ほどの周遊ルートや新しいコンテンツの考え方が必要になりますので、宜しくお願いしたいと思います。
あらためまして皆様のご支援とご協力をお願い申し上げて冒頭の挨拶とさせていただきます。
令和6年(2024年)6月5日 第7回総会
一般社団法人 関東広域観光機構
代表理事 田川 博己
会長:田川 博己 (たがわ ひろみ)
プロフィール
1948年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒。71年、日本交通公社(現JTB)入社。99年米国法人日本交通公社取締役副社長、常務取締役東日本営業本部長などを経て、08年社長に就任。14年会長。20年に取締役相談役に就任、22年に退任。2014年から、6年間、日本旅行業協会会長を務める。
東京商工会議所副会頭、日本商工会議所特別顧問、WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)副会長、日本エコツーリズム協会会長、ジャパンショッピングツーリズム協会会長、その他多くの役職を務める。
┃一般社団法人 関東広域観光機構とは
わたしたち、一般社団法人 関東広域観光機構は、関東広域における魅力ある観光地づくりと訪日観光客の関東広域への誘客を推進し、観光産業の振興と経済の発展に寄与することを目的に次の事業を行います。
(設立日:2018年 2月 26日)
(名称変更:2023年 6月7日)
① 関東一円の観光戦略の推進
② 地域観光事業の支援
③ 観光関係団体との連携
④ 観光事業に係る調査研究
⑤ その他当法人の目的を達成するために必要な事業
┃構成員
本協議会は、次のような法人、団体及び個人を会員としています。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、山梨県をはじめとする自治体、民間鉄道事業者及び旅行会社、メディアなど計78団体(賛助会員含む)で構成(2023年4月1日現在)しています。
┃定款
┃事業報告・決算情報
┃機構 事務所
所在地:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 2丁目13-4 神交共ビル 4階
一般社団法人 関東広域観光機構 事務局
電話 :045-628-9120
FAX:045-628-9140
共有メールアドレス:greatertokyo@gtto.jp