
当機構について
一般社団法人 関東広域観光機構のご紹介
┃ごあいさつ
皆さんこんにちは、本日はご出席いただきましてありがとうございます。
さて、ツーリズムに関する状況について、少しお話したいと思います。
2024年度は訪日外国人(インバウンド)が3,687万人となり大変大きな数字になりました。旅行消費額は、日本人の国内需要消費額25.1兆円、海外旅行の国内消費額が1兆円、外国からの消費額が8.1兆円で合計34兆円、パンデミックを3年経た中でかなり早い回復をみせたと思います。2023年訪日外国人客数が2,506万人の時に5.3兆円でしたので、昨年の訪日外国人の消費額の8.1兆円は、円安の影響もあるかもしれませんが、かなりインパクトある数字であります。
今年の3月の訪日外国人客数は349万人で前年を大きく上回っており、アメリカやカナダなどからの約6市場で単月の最高水準、最高の数字を示しているところです。今年の訪日外国人客数が、1月から3月までの四半期として最速で1000万人を越えました。
国の目標は、2030年に6,000万、消費額は15兆円と言われていますが、国連の観光機関では、2030年の国際交流人口が18億人と予測しておりますので、6,000万人が多いか少ないかというのは日本のGDPから察するとまだまだ少ないと個人的には思っています。
今、観光庁ではアウトバンドが非常に伸び悩んでいると懸念しておりますが、円安やウクライナ情勢など多発している戦争や天変地異の影響もあり、パスポート取得率が17パーセント代に落ちたっていう事実が非常に気になるところです。そこで、今年、旅行業界も観光庁とともにアウトバンドの推進に取り組んでおります。アウトバンドが伸びないと飛行機の座席数が伸びない、飛行機の座席数が伸びないと来る人が来ないという相関関係です。ピッチャーとキャッチャーの関係と同様、常にパラレルでないとインバウンドも伸びませんので、この先はそういう風な流れになるかと思います。
一方、今年は万博を開催しているためお客様が増えており、実質的なレジャーの人数の動向をしっかりと見ておく必要があると思います。
そこで今日2つばかりお話しておきます。
1つは、現在、私は東商の副会頭で観光関係の委員長をやっております。東商の中で議論しております国と東京都への要望の内容について皆さんに事前共有しておきます。
まず、今年の重点要望は4つあります。1つ目は人手不足の問題と人材育成です。大学の観光関係の生徒が相当パンデミックで減ったっていう現実です。3年後、5年後を考えると人手不足となるとともに次世代の人材をどう育てるかもしっかりと研究してく必要がある点です。
2つ目はツーリズムの関連消費の拡大です。円安や円高にも影響されますが、キャッシュレス時代に裾野の広い観光産業でDXを活用し消費を増やす努力をするかです。問題は、パンデミックの時に最も多く廃業に追い込まれた飲食店のことで非常に気になるところです。私もふるさと福井のお手伝いしておりますが、商店街や飲食店がなくなってくると消費しませんから、やはり泊まって食べて物を買うという3点セットでないと消費が伸びないという事実を認識しておくべきです。
3つ目はオーバーツーリズムです。地域やマスコミで大きく騒がれていますが、人口と入国者の数を比較すると、日本はまだまだ少ないと思っています。フランスやイギリス、ドイツは人口と同じぐらいの数のインバウンドが来ていますが、日本の人口は1億2,000万人で、日本に来る人数はまだ3,000万人強から4,000万人弱です。バルセロナなど一部の地域のように、市民の数よりも来る数の方が何倍も多いという地域はオーバーツーリズムですけれども、日本の場合は、オーバーツーリズムというよりは混んでいるエリアからの分散をどうするかが課題だと思います。まさに今、関東広域観光機構で取り組むべきテーマです。東京に来ている人たちをいかに地域に分散して訪問していただくかというところに焦点を当てて議論をしていこうと思います。オーバーツーリズムの課題においては、集中から分散へのシフトをどうするかという点について、東商としてもしっかりと国や東京都に要望しようと思っています。
4つ目は、観光予算の財源確保です。観光庁の今年度の予算の一般財源は89億円です。2022年の観光庁の一般財源は142億あり、出国税を合わせて232億円ありました。一般財源は基幹産業化するために必要な予算です。パンデミック等で、出国税や補正予算は不安定で減らされやすいため、観光予算で一般財源をどう持つかが重要ですが、一般財源が減り出国税と補正予算が増えています。国が言う観光の基幹産業化、成長産業と言う話とその予算財源に齟齬あるため、初めて東商としても予算の問題について国に要望しようと思っています。
以上が重点要望の4つですが、従来からやっている環境整備の受け入れ、国際文化都市東京、小売人口の拡大などは、従来通り要望しますが、この4点については特に6月中に国と東京都に要望しようと思っています。
2つ目は万博です。私も東京商工会議所で2回ばかり行ってまいりました。私が大学4年の1971年に1回目の万博があり、55年経ち2回目の万博を経験し、2つだけ違いがありました。前の万博よりもエリアが狭いこと、コンパクトにまとまって非常に分かりやすいことです。外国館、日本館も見に行きましたが、なかなか見応えがあります。自分の未来をどう考えるか、特に20代あるいは10代の若者に見てもらいたい。実は私も大学の時に万博を見て、日本交通公社入りました。人生がそこでガラッと変わったという体験者ですから、是非、皆さんのお子様やお孫様に見せていただきたいと思っています。やっとインド館もでき全館揃いましたので、これからが成否の分かれ目だろうと思っていますので、是非皆様も大阪関西万博を訪れていただき、ご支援をよろしくお願いしたいと思います。
最後に先ほどの集中の話となりますが、観光庁の統計では24年度の外国人都道府県別来訪率は、東京51.5%(2人に1人)、大阪39.%、千葉36.6%(これはディズニーランド)、京都29.5%の上位4都府県を除くと10%以下です。いかに集中を分散させるかが広域観光です。今、西日本は西のゴールデンルート、中部はゴールデンループ、関東広域も江戸街道をテーマとした取り組みを予定しております。是非そういう形で集中から分散への流れを作っていただきたい。インバンドの分散対策と広域観光訪問を見据えて連携していくということで今日の総会でもしっかりと議論いただければありがたいということであります。
また、今回は関東広域観光機構の今後について、今日ご出席の関東運輸局の藤田局長にいろいろお世話になりました。体制整備について後ほどお話があると思いますが、大変ご苦労いただいて、次のステージ上がるための準備をしていますので、その話も皆さんに共有していっていただきたいと思っています。
あらためまして皆様のご支援に感謝を申し上げて冒頭の挨拶としたいと思います。
令和7年(2025年)6月4日 第8回総会
一般社団法人 関東広域観光機構
代表理事 田川 博己

会長:田川 博己 (たがわ ひろみ)
プロフィール
1948年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒。71年、日本交通公社(現JTB)入社。99年米国法人日本交通公社取締役副社長、常務取締役東日本営業本部長などを経て、08年社長に就任。14年会長。20年に取締役相談役に就任、22年に退任。2014年から、6年間、日本旅行業協会会長を務める。
東京商工会議所副会頭、日本商工会議所特別顧問、WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)副会長、日本エコツーリズム協会会長、ジャパンショッピングツーリズム協会会長、その他多くの役職を務める。
┃一般社団法人 関東広域観光機構とは
わたしたち、一般社団法人 関東広域観光機構は、関東広域における魅力ある観光地づくりと訪日観光客の関東広域への誘客を推進し、観光産業の振興と経済の発展に寄与することを目的に次の事業を行います。
(設立日:2018年 2月 26日)
(名称変更:2023年 6月7日)
① 関東一円の観光戦略の推進
② 地域観光事業の支援
③ 観光関係団体との連携
④ 観光事業に係る調査研究
⑤ その他当法人の目的を達成するために必要な事業
┃構成員
本協議会は、次のような法人、団体及び個人を会員としています。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、山梨県をはじめとする自治体、民間鉄道事業者及び旅行会社、メディアなど計94団体(賛助会員含む)で構成(2025年5月16日現在)しています。
┃定款
┃事業報告・決算情報
┃機構 事務所
所在地:〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 2丁目13-4 神交共ビル 4階
一般社団法人 関東広域観光機構 事務局
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